ダイビング直後に飛行機に乗るのは危険!?減圧症対策と安全なスケジュールの立て方

2024年11月1日
ダイビング直後に飛行機に乗るのは危険!?減圧症対策と安全なスケジュールの立て方

旅先でダイビングを計画中の皆さん、飛行機に乗るスケジュールはしっかりと考えていますか?特にダイビング後に飛行機に搭乗する際は、「減圧症」というリスクを考慮しないと、大切な旅行が台無しになってしまうこともあります。

この記事では、ダイビング後に安全に飛行機に搭乗するためのスケジュールの立て方や、減圧症の予防策について詳しく解説します。ダイビング初心者から中級者の方々が、安心してダイビング旅行を楽しめるための実践的な情報を提供しますので、ぜひ最後までお読みください。

ダイビング直後の飛行機の搭乗リスクとは?

ダイビング後すぐに飛行機に乗ることは危険とされています。なぜなら、ダイビング中に体内に溶け込んだ窒素が体にダメージを与える「減圧症」という症状が発生する可能性があるためです。

ここでは、減圧症とダイビング後の飛行機で減圧症になる理由について詳しく説明します。

減圧症とは

減圧症は、高圧環境(例えば深海)から急激に低圧環境(例えば水面)に移るときに起こる病気です。体内に溶け込んでいた窒素ガスが気泡となり、血管や組織を詰まらせることで様々な症状を引き起こします。

減圧症の主な症状

関節痛、しびれ、めまいなどが主な症状です。重症化すると神経障害や呼吸困難、さらには死亡することもあります。

ダイビング後の飛行機で減圧症になる理由

ダイビングは水中の高圧環境下で行われます。特に潜水時間が長く深くなるほど体内に溶け込む窒素が増え、リスクも高まります。そして飛行機に乗り、高度が上がると機内の気圧が下がり、体内に残った窒素が気泡化しやすくなります。そのため、ダイビング直後に飛行機に乗ることは、減圧症の発症リスクを大幅に高めるのです。

減圧症は、最悪の場合命に関わることもあります。必ず安全マニュアルを守り、飛行機搭乗前の待機時間を厳守しましょう。

ダイビング後の安全な待機時間

減圧症を避けるためには、ダイビング後に適切な時間を確保して体を休めることが大切です。待機時間はダイビングの深さや回数によって異なるため、状況に応じた計画が必要です。

ここでは、1回潜った場合と複数回潜った場合における安全な待機時間について詳しく説明します。

旅先で1回だけダイビングをした場合

ダイビングを1回した後の飛行機搭乗までの待機時間は、通常約12〜18時間が推奨されています。この時間は、ダイビング中に体内に溜まった窒素が自然に体外に排出されるために必要な時間です。減圧症のリスクを最小限に抑えるためには、この待機時間を守るようにしましょう。

特に初心者のダイバーは、気圧の変化による窒素の排出を十分に考慮し、安全に飛行機に乗る準備を整えましょう。

旅先で複数回ダイビングをした場合

ダイビングを複数回行った場合、飛行機搭乗までの待機時間をさらに長くする必要があります。一般的に18〜24時間程度が推奨されており、ダイビングの深さや頻度によっては、より長い時間を待つことが必要になる場合もあります。

何度もダイビングを繰り返すことで体内に蓄積される窒素の量が増えるため、リスクが高まります。特に複数回潜る予定がある場合はスケジュールに余裕を持たせ、十分な待機時間を確保することが重要です。

減圧症の予防と対策

減圧症を防ぐために、ダイビング中とダイビング後に注意すべきポイントがいくつかあります。ここでは、ダイビング中に行うべき予防策と、ダイビング後に取るべき対策について詳しく説明します。正しい知識を持って行動することで、ダイビングを安全に楽しみましょう。

ダイビング中の対策

ここではまずダイビング中に出来る対策を3つのポイントに分けてご紹介します。これらの対策をしっかりと実行することで、ダイビング後も安全に過ごすことができるでしょう。

①浮上速度をゆっくりと保つ

浮上時の速度は、減圧症を防ぐために極めて重要です。水中では体内に窒素が蓄積されるため、急激に浮上すると窒素が気泡となり、体にダメージを与える可能性があります。浮上速度は毎分9〜18メートルを守り、時間をかけて水面に戻ることが推奨されています。

②安全停止を確実に行う

安全停止とは、浮上時に約5メートルの深さで3分間止まることで、体内の窒素をさらに排出させる手法です。特に深いダイビングや連続したダイビングでは、この手順を守ることが減圧症の予防に効果的です。早く上がりたいからといって絶対に省かず、安全停止を確実に行うようにして下さい。

③水分補給をしっかり行う

ダイビング中やダイビング後には、体内の水分を適切に補うことが大切です。脱水状態では血液の循環が悪くなるため、窒素の排出が遅れて減圧症のリスクが高まります。アルコールやカフェインを含む飲み物は避け、十分な水分を摂取するようにしましょう。

ダイビング後の対策

ダイビングを楽しんだ後は、体の状態をよく観察することが大切です。少しでも体の異変を感じたら無理せず休憩し、専門医に相談しましょう。減圧症などのトラブルを防ぎ、次のダイビングも安全に楽しむために適切なケアを心がけましょう。

自分の体調を確認する

ダイビング後は、疲れやすさや関節の違和感など、体調の変化を細かく確認しましょう。軽い症状でも放置せず、体を休めることで症状が悪化するのを防ぐことができます。特に、何度もダイビングを繰り返した場合には、休息を優先することが大切です。

減圧症の兆候が現れたらすぐに医師に相談する

減圧症は早期の治療が鍵となります。手足のしびれやめまい、息切れなど、典型的な症状が現れた場合は、すぐに医療機関に連絡しましょう。早めの対応が症状の進行を防ぎ、迅速な回復につながります。どんなに軽い症状でも無視せず、専門家の診断を受けることが重要です。

旅行でダイビングの計画を立てるポイント

旅行でダイビングを計画する際には、単にダイビングを楽しむだけでなく、ダイビング後の体調管理や飛行機に搭乗するまでのスケジュールを慎重に設定することが重要です。

特に、飛行機搭乗までの待機時間や最終日のダイビング計画は、減圧症を防ぐための大切なポイントです。

ここでは、安心して旅行を楽しむためのスケジュールの立て方について、詳しく解説していきます。

①ダイビング後の飛行機搭乗までの待機時間を守る

ダイビング後に飛行機に搭乗するまでには、一定の待機時間を守ることが重要です。前述したように、一般的な目安として、1回のダイビングでは12~18時間、複数回潜った場合には18~24時間の待機時間が推奨されています。この待機時間をしっかり守れるよう、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。

②最終日にダイビングを避ける

旅行の最終日にダイビングを予定してしまうと、飛行機搭乗までに十分な待機時間を確保できない場合があります。これでは減圧症のリスクが高まるため、最終日はダイビングを避けるのが賢明です。最終日を観光やリラックスできる日とし、体を十分に休めることで次の移動に備えることができます。

③予備日を設定して余裕を持たせる

ダイビング後のスケジュールには予備日を設けることが大切です。突然の天候不良や体調の変化により、ダイビングの予定がずれることがあります。余裕を持ったスケジュールを設定することで、待機時間をしっかり確保し、減圧症のリスクを最小限に抑えることができます。特に長期間の旅行では、1日程度の予備日を計画に組み込むとよいでしょう。

④観光やリラックスタイムも考慮する

ダイビング以外の時間には、観光やリラックスタイムをスケジュールに入れることで、全体的な旅行の満足度が向上します。ダイビングのスケジュールに余裕を持たせた上で、地元の観光地巡りやスパ、マッサージなどのリラックスできるアクティビティを組み合わせると、心身ともにリフレッシュできるでしょう。

まとめ

ダイビングは、自然と一体になれる素晴らしいアクティビティですが、安全に楽しむためには減圧症のリスクをしっかりと理解しておくことが大切です。ダイビングの計画を立てる際は必ず安全な待機時間を確保し、万が一に備えて適切な対策を講じましょう。

この記事でご紹介した情報を参考に、ダイビングショップのスタッフや経験豊富なダイバーに相談し、あなたに合った安全なダイビングプランを立ててください。この記事を読んでくださった方が、素晴らしいダイビング体験が出来ることを願っています。